革/命「革に命をかける」革業界に「革命」を起こす革職人

手仕事革工房ヨッシ 
Yosche さん
モンベアー
手仕事革工房ヨッシ

夢を夢で終わらせない。50歳からスタートした、革職人への挑戦


写真・文:小川伸晃

手仕事革工房ヨッシ

手仕事革工房ヨッシ

53歳からレザー職人としてのキャリアをスタートさせたヨッシさんが主催する、オールハンドメイドの革工房。ミニウォレットやペンケースなどの小物からバッグ、そしてテディベアなど、バラエティ豊かなオリジナル製品の製作・販売を行っています。工房で販売するアイテムは主に手縫いで製作されており、手縫い特有の温かみのある仕上がりは、多くのレザー愛好家から好評を得ています。

手仕事革工房ヨッシ

革職人を目指したきっかけ

子供の頃、テレビで流れていた西部劇の影響でレザーアイテムが好きになったというヨッシさん。高校生になり、バイクに乗り出したことでレザー好きはさらに加速しました。ただ、当時は革職人になるという発想はなく、その後もレザーとは関係のない仕事を選択。長らくユーザーとしてレザーを楽しんでいたヨッシさんでしたが、50歳の時に転機が訪れます。「当時の単身赴任先の神戸で、革の一大産地である姫路のとある工房を見学したのですが、丹念に革製品を作り上げる職人の姿に感動しまして。ずっと心の奥底にあった革職人への憧れがムクムクと膨らんできて、『自分も作る側の人間としてやっていこう』と決意しました。」
 それからレザーショップのスタッフに、レザークラフトに必要な道具を聞いたり、近所のスクールに通ったりと、手探りで革職人への道を歩みはじめたヨッシさん。仕事の合間にコツコツとレザークラフトの勉強を続け、53歳の時に、自宅の一室に「手仕事工房ヨッシ」を開業。革職人としてのキャリアをスタートさせました。

革職人を目指したきっかけ

そうか革職人会と、そうかわ塾との出会い

ヨッシさんと、草加市の皮革3団体が中心となって結成された「そうか革職人会」との出会いは約2年前。フェイスブック上でつながった人が革関係の仕事をしており、その方を通じて同会を知ったそう。そして、そうか革職人会とのつながりから、ヨッシさんは草加商工会議所が新たにスタートした、次世代の革職人を育てるための「そうかわ塾(草加皮革職人塾)」の存在を知り、革職人としての更なる成長のため、同塾に応募。現在は週1回、草加市の老舗メーカーである株式会社メシエの先代社長で、ベテランの革職人である茂垣隆生さんのもとに通い、指導を受けています。
「職人といえば、厳しくて『仕事は見て盗め』といったイメージがありますが、茂垣さんは全然そんなことはなく、とてもやさしく気さくな方で、自身が長年培ってきた技術と経験を惜しみなく教えてくれるので、非常に勉強になります。効率の良い制作工程や、ミスをした時の上手なリカバリーの方法など、より実践的な技術に加えて、何よりも革職人として利益をあげ、ビジネスとして成立させる心構えを学ばせていただいており、茂垣さんのご指導は、自分にとって大きな財産です。」
 現在ヨッシさんは59歳。一般的に、これくらいの年齢になると、新しいことをはじめるのに億劫になったり、自らの経験と考えに固執して他者の言葉を素直に受け入れられないということも珍しくないですが、ヨッシさんはまるで新人のように貪欲に知識と技術を吸収し、革職人としてさらに成長しようと日々精進を続けています。『新たな挑戦に年齢は関係ない』という言葉を体現するヨッシさんに、今後の展望を聞いてみました。
「現在は会社員と革職人という二足のわらじで活動しているのですが、いずれは職人一本でやっていきたいですね。また、現在BASEで『革製品のベアーズ』と言うECショップを展開しているのですが、商品ラインナップを充実させるなど、もっと運営に力を入れていきたいです。そのためにも、職人としての技術はもちろん、販売や流通など、経営についても勉強を続けていきます。」

工房見学

手縫いへのこだわり ーステッチに見える職人の個性ー

手縫いへのこだわり
ステッチに見える職人の個性

ミシンに革漉き機、裁断機と、工房内に一通りの機材を導入した今でも、手縫いに強いこだわりを持つヨッシさん。「手縫いはステッチに職人の個性が出るので面白いですね。縫い目のひとつひとつに味があり、温かみを感じさせます。アイテムによってはミシンを使うこともありますが、これからも手縫いにはこだわっていきたいです。」

59歳でも気持ちは新人!

株式会社メシエ 茂垣さん
指導を仰ぐヨッシさん

草加市革業界の巨匠である、株式会社メシエの先代社長、茂垣さんに指導を仰ぐヨッシさん。茂垣さんの気さくな人柄もあり、指導中は笑顔が絶えません。「業界のレジェンドである茂垣さんの指導は実践的なものばかりで、本当に勉強になります。自分は還暦間近ですが、新人の気持ちで茂垣さんの持つ知識と技術をどんどん吸収していきたいです」

オリジナル製品へのこだわり

職人が一品一品丹念に仕上げた、温かみのあるアイテムたち

手仕事工房ヨッシが手がけるレザーアイテムは、その名の通り手縫いを中心に、どれも職人が一品一品丹念に仕上げたものばかり。また、環境にやさしい「MONYレザー」や、植物性タンニンでなめしたイタリアンレザーなど、素材にもこだわっており、最高の素材を最良の方法で仕上げたアイテムは、どれも工業製品にはない深い味わいを感じさせます。

SDGsレザーのテディベア MONベアー

SDGsレザーのテディベア MONベアー 小/中/大

モンゴルで食肉として食べられた後の羊の皮を、人と自然と環境にやさしいラテッセーなめしで加工した「MONYレザー」を使用したキュートなテディベア。他にも中綿にはインド製オーガニックコットン、糸は天然リネン糸と、SDGs素材にこだわり、職人が一品一品手縫いで丹念に仕上げています。四肢は回転しますので、立たせたり座らせたりと、お好みのポーズを楽しめます。ブライダルのプレゼントにも人気の一品です。

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メガネケース兼ペンケース CYLINDER

メガネケース兼ペンケース CYLINDER

3mm厚のイタリアンレザーを、麻糸を使って職人による手縫いにて仕上げました。メガネケースやペンケースなどに使い勝手の良いサイズ感となっています。植物タンニンなめしの革は丈夫で手に馴染みやすく、使い込むほどにエイジングにより味わいや深みが出てきます。

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メガネケース兼ペンケース BOX

メガネケース兼ペンケース BOX

職人による手縫いで丹念に仕上げられた、ボックスタイプのメガネケース兼ペンケース。外装と内装それぞれに、1.5~1.8mm厚の植物タンニンでなめした革を使用した二層構造となっています。植物タンニンなめしの革は丈夫で手に馴染みやすく、使い込むほどにエイジングにより味わいや深みが出てきます。

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ポケット充実本革トートバッグ

ポケット充実【本革】トートバッグ

オン/オフどちらのシーンでも活躍してくれる、シンプルなデザインのトートバッグ。A4ファイルが楽に入るサイズ感で、4個の内ポケットの他、鍵などを吊すキーリングがついており機能性も充実。開口部は全面ファスナー仕様で、セキュリティも安心です。植物タンニンなめしの丈夫で質感が良い革を使用し、職人が一針一針丹念に仕上げた一品物です。

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イタリア製本革 A4サイズ収納のショルダーバッグ

【イタリア製本革】A4サイズ収納のショルダーバッグ

A4ファイルサイズを収納できる、大きめの縦型ショルダーバッグ。植物性タンニンでなめしたイタリアンレザーは、しっとりとした質感と柔らかい肌触りが特徴で、使い込むほどに味わいが増します。表面全体が隠れるあおりにも、同素材を贅沢に使用しています。職人が一針一針丹念に仕上げた一品物です。

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革製品のベアーズ
(担当:田中)

住所:東京都練馬区高野台5-6-3
HP:https://bearsleather.handcrafted.jp
電話番号:070-9001-1384
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