どんな革でも、最高の一品に仕上げてお客様に届ける。
写真・文:小川伸晃
1. 革信について
2. 革職人を目指したきっかけ
3. 工房見学
革信
革信
革製品メーカーで10年間修行したのち、革職人として独立した松信さんが、自身の名前の一字を冠して2009年に創業した革製品の工房。ウォレットなどの革小物を中心に、レザーブランドのOEM業務や、オリジナル製品の制作・販売を行っています。
また、ヴィシーズ三郷店にて月4回カルチャー教室を開催し、趣味としてのレザークラフトを教える他、自身の工房ではプロの革職人を目指す人向けの、より本格的なレザークラフト教室を主催しています。
革職人を目指したきっかけ
松信さんが革職人を目指そうと思ったのは20歳の頃。自分用の革財布を作ったことがきっかけだそうです。
「愛用していた革財布が壊れてしまって、買い換えようにもお金もないし、ならいっそ作ってしまえ、と。最初は完全に独学でした。それから趣味で自分用に革小物を作っていたのですが、そのうち仲間からも頼まれるようになり、レザークラフトがどんどん楽しくなってきて。次第に『これを仕事にしたい』と思うようになり、まずは通信教育でレザークラフトの基礎を学びました」
通信教育の課程が終了後、松信さんは埼玉県川口市にある革製品メーカーに就職。そこで革職人として10年を過ごしました。会社員時代の後半には、製作だけでなく革の管理も任されるなど、革職人として順調なキャリアを積んでいましたが、より自由な物作りを行いたいと、2009年に35歳で独立。自分の苗字から一文字取って、革工房「革信」を創業しました。
そうか革職人会との出会い
もともと千葉県成田市出身の松信さん。皮革産業が盛んな草加市との関わりは、埼玉県川口市の革製品メーカーに就職した際、草加市に引っ越してからだそうです。
「当時の会社への通勤圏内という理由で草加に住み始めたのですが、恥ずかしながら、引っ越して初めて草加市が皮革産業が盛んな街ということを知りました。今では草加に住んで本当に良かったと思います。私は草加とその近隣の皮革産業に携わる人たちによる組織『そうか革職人会』に所属しているのですが、イベントに出展させてもらったり、会員同士での情報交換など、会に所属しているからこそできることがたくさんあり、革職人として活動するうえでとても役立っています」
革のなめしから製品加工まで、全ての工程が行え、革製品の一貫生産が可能な草加市。そんな革職人にとって最高の環境の中、松信さんは日々職人として腕を磨き、魅力的な商品を生み出しています。
工房見学
アンティークの足踏みミシンで、一針一針丁寧に仕上げる
革信では、革職人である松信さんのこだわりで、縫製にアンティークの足踏みミシンを使用。一針一針丁寧に縫製することで、丈夫で正確、かつ温かみのある仕上がりとなっています。
ハンドメイドによる、細やかな装飾
丸く加工された丸牛レースのウォレットロープに糸を通し、巻き飾りを施す松信さん。手作業だからこそできる細やかな仕上がりが、製品の完成度を高めています。
レザークラフト講師としての顔
ヴィシーズ三郷店にて月4回のカルチャー教室のほか、革の加工業を営む河合産業内にある自身の工房で「革信レザークラフト教室」を主催している松信さん。後者はプロの革職人を目指す人向けで、ミシンや革漉き機も使用するなど、より本格的な内容となっています。現在生徒募集中とのことで、詳細はメールで問い合わせしてみて。 ()
オリジナル製品へのこだわり
全て手作業によって生み出される、素材にこだわった革小物たち
全ての工程を手作業で行い、アンティークの足踏みミシンによって一針一針丁寧に仕上げた革信のレザーアイテム。あえて特定の革に限定せず、製品コンセプトごとにそれぞれ最適な革を選び、製作されたアイテムは、それぞれの革の特性を十二分に生かした存在感のある仕上がりで、持つ者の所有感を満たしてくれます。
ダブルステッチロングウォレット
ウォレットの周りに施されたダブルステッチが特徴的な、シンプルながら高級感あふれるロングウォレット。
イタリアの高級皮革「プエブロレザー」を使用し、革の表面を起毛させることで、使い込むほどに独特の艶が楽しめます。
インナーは、ファスナー仕様のコインケース、カード入れ3つ、札入れ2つ、フリーポケット1つ。コインケースは使いやすい深さを計算して制作されています。
フラップロングウォレット
シンプルで使いやすい、かぶせタイプのロングウォレット。
ベージュカラーをインナーに使ったバイカラー展開で、カモフラ柄以外は、フジトウ商事のオイルレザー「ローレルオイル」を使用。極限まで艶を上げる加工を施したオイルレザーで、使い込むほどにこのうえないエイジングが楽しめます。インナーはファスナー仕様のコインケース、カード入れ8つ、札入れ2つ、フリーポケット2つ。
バタフライウォレット
ベージュとのコンビネーションが特徴の、二つ折りウォレット。極限まで艶を上げる加工を施した、フジトウ商事のオイルレザー「ローレルオイル」を使用し、、使い込むほどに極上のエイジングが楽しめます。インナーはコインケースとカード入れが6つ。コインケースは使いやすいマチ付き。
詳しく見る革信
住所:埼玉県草加市中根1-14-1 河合産業内
メール:
インスタグラム:#革信